» 闇鍋のブログ記事

今は昔、天婦羅はあってもまだコンプライアンスとかいう言葉が日本語にはなかった頃のことです。

某ビル某室にて、天井の火災感知器にカバーをかけている怪しい男の姿がありました。男は悪びれた様子もなく実に楽しそうにその作業を行なっていたので、発見者は悪いことをしているとは思わず、男の作業を手伝ったのでした。

そのうち、いろいろな男女がどこからともなく、鍋やガスコンロ、いろいろな食材、酒・ビールなどが持ち込まれ始めました。

その狭い部屋に集まったのは10人程度だったでしょうか。最年長と思しき男が「乾杯!」と叫び、各自が好き勝手に酒を飲み始め、ガスコンロには火がつけられ、闇鍋が始まりました。そうです。男が火災感知器にカバーをしたのは、熱や湯気で反応しないようにするためだったのでした。

闇鍋パーティは無事に終わり、参加者の証拠隠滅工作により会場は跡形もなく片付けられ、各々「もう一軒」に向かったのでした。

しかし、翌日その部屋はアルコールとおつまみと鍋のにおいが充満して、使えませんでしたとさ。その時代は、ファブリーズもありませんでした。

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